3.不正や競合が起こりにくい仕組み

ブロックチェーンへの書き込みはハッシュを解くことで行われ、他のノードに承認されることで確定します。では、悪意ある人が不正なブロックを追加し、別のノードを使って承認してしまったらどうなるのでしょうか?

ブロックチェーンの分岐対策
悪意のある人がブロックの情報を書き換えたり、複数のマイナーがほぼ同時にマイニングを終え、他のマイナーに承認されてしまったりすると、一つのブロックに複数のブロックが結びついているような状態になります。

ブロックチェーンの分岐、という現象です。

こういった現象が起こった場合、ブロックチェーンは「最も長いブロックチェーンを信頼する」というルールにのっとって処理を続行します。長いというのはブロックの数ではなく、計算量です。

Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)という考え方
ブロックの中身が正しいかを誰かが判断して修正するのではなく、このチェーンに費やされた仕事量だけを見て、正しいかどうかが判断されます。

悪意のある人が追加したチェーンを伸ばしていく(不正な取引を確定する)には、伸び続ける正しいチェーンより大きな計算量をもってブロックを追加していく必要があります。正しいブロックの計算量を上回るには、攻撃者だけでノード全体の計算量を上回る必要があるのです。

各国のマイナーが資金を投じ、専用の機械まで用意して行うマイニング。その計算量を超え続けないと情報が確定できない、ということから、ビットコインでの不正はほぼ不可能だと考えられています。

このようにビットコインは、Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)という考え方と、マイナーに対する報酬によって、誰でも参加でき、すべてを閲覧することが可能であるにもかかわらず、不正や改竄の難しい堅牢な仕組みを築き上げているのです。